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感染管理は医療を行っていく上で非常に大切なことです。感染管理についての考え方は以前とは大きく変わりました。
私達医療従事者が、長い間正しいと思っていたことが 実は間違っていたり、必要だと教えられていたことが不要だったりします。この機会に感染管理について正しい知識を得ましょう。

感染管理(infection control and prevention)は医療施設、介護施設、在宅ケアなどにおける全ての人々を感染から守るための活動です。感染管理は、①医療・ケアの質の向上、②不必要な経費の削減、③業務の改善・効率化④医療におけるセイフティーマネジメントの確立に寄与します。

CDC最新ガイドライン

2002年10月25日米国の新しい手指衛生ガイドラインが発表されました。このガイドラインは1985年CDCの「手洗いと病院環境管理ガイドライン」の手洗いに関する部分と1996年APICの「手洗いと手指消毒ガイドライン」に替わる最新のガイドラインです。

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スタンダードプリコーション

1996年1月、CDCはそれまでの隔離対策を修正、統合した「病院における隔離予防策のためのガイドライン(Guideline for Isolation Precautions in Hospital)」を発表しました。その中で、スタンダードプリコーション(標準予防策)は、感染症の有無に関わらず病院でケアを受ける全ての患者に適用する予防策であり、血液・体液・汗を除く分泌物・排泄物・損傷皮膚・粘膜に適用される予防策です。すべての患者に対して、手洗い・手袋・マスク・ガウン・器具・リネンなどの予防策を実践することが求められています。

スタンダードプリコーションの具体例

行為 対策
血液、体液、分泌物、排泄物、汚染された物品に触れた後
手袋を外した後
患者と接触した後
手洗い
血液、体液、分泌物、排泄物、汚染された物品に触れる時
粘膜や傷のある皮膚に触れる時
手洗い
血液、体液、分泌物、排泄物のしぶきや飛沫が発生しそうな処置や患者ケア活動の間 マスク、ゴーグル、
顔面保護具、ガウン等
鋭利物(注射針など)の使用 リキャップしない
曲げたり、折ったりしない
手で操作しない

●CDC Guideline


米国の政府機関である疾病防疫センター CDC (Centers for Disease Control and Prevention) は、 病院感染対策に関するガイドラインや勧告も数多く発表しています。 日本においては、米国の方式を適用するのは実務的でないという理由により、CDCガイドラインがあまり 重視されない場合もあります。 しかし、これらは多くの最新の医学文献を網羅した上で勧告されており、 また病院感染起因菌の病原性や伝播経路が日米で大きく異なるとは考えられないので、日本における 病院感染対策を検討する際にも、重要な資料として尊重するべきであると思われます。

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●APIC Guideline


APIC(Association for Professionals in Infection Control and Epidemiology)は米国の 感染管理・疫学専門家の協会で、 病院感染に関するガイドラインをいくつも公表しています。

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●HiS Guideline

Hospital Infection Society (HIS)は英国の病院感染に関する学会で、Journal of Hospital Infectionはその学会誌です。2年に一度国際学会が開催され、また学会誌への投稿も全世界から 行われていますので、英国に限らず広く世界における病院感染に関する新しい知見が集中する 学会のひとつであると言えます。

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●PHLS Guideline


英国においては、Department of Health(健康省)に附属するPublic Health Laboratory Service(PHLS: 公衆衛生試験所)という政府機関が、イングランドとウェールズにおける病院感染および市井感染、もしくは感染症と伝染病についての調査研究当局となっています。大雑把に言えば米国のCDCに相当する英国の機関といえます。

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