椎間板ヘルニアの症状としては、ご存じの様に腰痛・下肢痛があり更に症状が進行すると麻痺や膀胱直腸障害(おしっこがうまく出ない)が出現します。
比較的よく経験するのは、腰痛のみの方でも椎間板ヘルニアとして診断を受けていることです。腰痛の原因として最も多いのは、実は筋筋膜性のもので実際にヘルニアの方はあまり多くありません。こうした間違った認識や診断・思いこみが実際の治療を混乱させているものと考えます。まず、正しい診断を受けることが大切です。
1)腰痛
強い腰痛が出るものとして他にギックリ腰がありますが、ヘルニアとは異なった病態です。
2)下肢痛
いわゆる坐骨神経痛のような、神経に沿った疼痛が出現します。従って疼痛の出現した場所で、病変の場所を予測することが可能です。
3)麻痺
最も多いのは足の親指が上がらない、足首が上がらないといった下垂足が見られます。これはL5神経根の症状で、他の神経が麻痺をおこせば当然他の症状が出現します。軽度の麻痺で有れば、経過を見ることが可能ですが、麻痺が強い場合は緊急手術の適応となります。
4)膀胱直腸障害
おしっこが完全にでなくなれば、緊急手術の適応となります。したがって、最近どうもおしっこが出にくい等の症状があれば、必ず医師にお話なさることが必要です。