ヘルニアの症状は治療により改善します。
治療は、基本的に保存療法(内服・注射・ブロック・理学療法)をおこないますが、MRIによる評価をおこない自然消退が期待できるか否かをまず判断します。
1)自然消退(消えること)が期待できる場合
定期的にMRIによるフォローをおこなっていきます。ここで、大切なことは、必ず消えるとは限らないと言うことです。また、消えていく期間もまちまちです。したがって、前記のような説明を十分に説明した上で、治療計画を立てていきます。このタイプであっても、疼痛が強かったり、麻痺があるものは手術となることがあります。
2)自然消退(消えること)が期待でない場合
基本的に保存療法をおこないますが、疼痛が強く社会復帰ができないもの・明らかな進行性の脱力や排尿障害等の麻痺のあるものは手術をおこないます。
3)内服
NSAIDs (消炎鎮痛剤)・筋弛緩剤・ビタミン剤・循環改善剤などが主になります。NSAIDs(消炎鎮痛剤)は、最近では胃や腎に障害を与えにくいCox2選択性の薬剤が登場し、副作用も少なくなりました。また、筋弛緩剤は眠くなることがありますので、注意が必要です。
4)注射
ビタミン剤(ビタミンB12)の静脈注射が比較的効果 があります。
5)ブロック
一般に硬膜外ブロックが効果 的ですが、疼痛が強い場合神経根ブロックをおこなうこともあります。
6)理学療法
骨盤牽引や電気治療・レーザー刺激や体操療法などをおこないますが、あくまでも症状の軽減を目的としたものでこれでヘルニアがなくなる訳ではありません。